花を愛でに散策する

まほろばの里 泉ヶ谷には、散歩がよく似合う。雄大な山に包まれた自然豊かな街並みには、季節ごとに草木が彩る。山に向かって歩みすすめれば、道端やせせらぐ川のほとり、顔をあげれば山の中に、色とりどりの花が咲いている。
旅館を背にゆっくりと歩く。時に足を止めて、普段ならば見過ごしてしまう小さな花に目を留める。記憶に懐かしい花もあれば、初めて見る花まで、この地だからこそ出会える花がある。

スマートフォンをかざして、花の名を調べる。写真を撮り、検索をかければ、名前から生態まで、あっという間に知ることができる。デジタルデトックスという名のもと、スマートフォンではなく図鑑を片手に一輪ずつ調べるのも楽しい。

空気が澄んだ早朝、日差しがまどろむ昼下がり、夕焼け時。時が変われば、見える景色も変わりゆく。滞在中、時間をずらして散歩をするのもおすすめだ。緑が揺れる自然の中で、花の息吹に触れるひとときを。名もなき花もその名を知れば、記憶に残る花となる。